Zemaitis 1987 E/B 4st TEST

ロニー・レーンのベースを彷彿とさせる、長いフィンガーレストに、ダブルカッタウエイのボディー。オリジナルオーナーのAndy Tylerは、「当時、プレートにエングレイヴを入れてもらう金がなくってさ。いつかは、って思っているうちに気がついたら引退だよ。やんなるね。」と、手紙に書いてくれた。彼が30年以上連れ添った相棒は、飾り気無く質素だが、良妻を思わせる風貌で、シンプルなアルミプレートと相まって、飽きの来ない完成度を誇る。P一発のピックアップに、1?V・1?Tだが、ひそかにミニスイッチが…。ブリッジは、当時ギブソンのEBモデルなどでもよく知られた3点支持タイプ。イングランドの田舎町で楽器屋巡りをすると、まだまだこうしたゼマイティスが発見できるかもしれない。ここにダニーのエングレイヴが入ると、どれだけパンキッシュだろうかと、想像するだけで楽しくなる。

当時は高級パーツの代名詞、ドイツ製Schaller
ロニー・レーンのファンなら、だれでもあこがれるフィンガーレスト

Double cutaway with a long finger-board, like Ronnie Lane's bass guitar. Original owner Andy Tyler wrote: "I couldn't have the plate engraved because I had no money. I kept thinking 'Maybe some day', and then, I realize I have to retire! My goodness!". His companion of more than 30 years is plain and simple, and just like a faithful wife, you never get tired of her. Simple aluminum plate, 1 P pick-up, 1 volume, 1 tone, and another switch. Three-point support type bridge, also used on Gibson's EB model. With some luck, you can still find this kind of Zemaitis in some music store of English countryside.

ロッドカバーのエングレイヴはトニーのお手製
裏側のポールピース穴がジグザグになっているのもハンドメイドの証?

ミュシャの「サラ・ベルナール」を纏った、メタルピックガード。

(文責:三ツ井忠)