GTZ Triangle Tera Rossa

ダーク・ウオルナット・フィニッシュにゴールド・パーリーのハートインレイ、ゴールド・プレートのメタル・パーツは、落ち着いていて、大好きな完成系デザインですね。 そもそも、長期のツアーにつれていくプロフェッショナルなギターに、ゴールド・パーツを使うのは、すごく勇気がいります。 早晩メッキがくすんで、はがれて、汚れてきますから、それを、貫禄と感じるか、老化と呼ぶかは、デザイナーのセンスとオーナーの愛情次第でしょう。

剥げてきたゴールドメッキを想定したデザイン。私にとってもっとも美しいブロンドは、デボラ・ハリーのフェイク・ブロンドです。 染め上げたカラーが退色し始めた部分にセックス・アピールを感じます。そういったデザインである為のボディ・カラーは、黒以外に、さほど多くありません。 ネーミングのTera Rossaは、イタリア語で「赤い土」という意味です。一見沈み込んでしまいそうな地味な色ですが、仕上げのマット加減や、トーンでどうにでも転んでしまう面白さがありました。緩急をつけるため、 松崎氏が、イエローパーリーのリップ材をうまくセレクトしています。赤土の遺跡から、宝石のような白蝶貝が現れる、そんなイメージがストレートに反映され、見る角度によってカラーが変わる天然のパーリーは、まさにブロンドヘアーが靡く如く、見ていて飽きません。 ヘッドからボディエンドまでが、スリムに見え、いろんなボディー・カラーをエクスペリメンタルに展開できるTriangleモデル。髪をブリーチする感覚でライトに、ブライトに!(画像の段階では、パーツがクロームになっています)

(文責:三ツ井忠)