GTZ Solo Experimental 2003年
中世の王侯貴族に愛されたバロック・ギターのブリッジからヒントを得た弓形のテールピースを 現代的なABR?1ブリッジと組み合わせたGTZ”Solo”は、実用性を保ちながらも、ヨーロッパへの深い憧憬を表現しています。 一本づつアルミ・ブロックから手作りで削りだす弧の曲線は、名車フェラーリ512BBのフロント・フェンダーを連想させ、優雅でしょう?ブラックカラーは、艶を抑えたマットブラックで、白蝶貝のハートインレイをひときわ明るく目立たせてくれます。
ホワイトとイエローのパーリーで構成されたハートインレイ
GTZでは、白蝶貝の並べ方も、クラッシュド・レイアウトという順不同で規則性のないパターンを用いました。これは、「大きなシェルは、なるべくそのまま使いたい」という嗜好もありますが、貝と貝の間を、ムリに摺合せず、すこし隙間をあけることで、「貝が、より貝らしく」見える工夫です。ゴールド・マザー・オヴ・パールとよばれる、大きな真珠貝のリップ部分に表れるゴールデン・カラー・シェルをハートの外周につかったら、かなり豪華になりました。白蝶貝の光の反射方向も考慮してならべられているので、ステージ上でスポットライトが当たった時に、ぺったりせず、立体的なハートが浮かび上がります。
ボディー外周に白蝶貝をレイアウトしたので、ネック部分が主張しないよう、バインディングはつけませんでした。「サディスティック・ミカ・バンド」のライヴで加藤和彦さんが、このギターを演奏されたときも、ネック部分がスッキリスマートで、マイクスタンドに45度ぐらいで被るアングルがスコブルかっこよかったです。