GTZ New Hampshier (2025/4 更新)


“White Lady”の原案として私(三ツ井)が描いたシースルー・ブロンドのボディ・カラー・モデルです。透けるようなラッカーの下には、良質のホンジュラス・マホガニーの木目が浮かび上がり、フライフィッシングの清流を連想させます。「アメリカ合衆国北西部、ニューイングランド地方に位置するニューハンプシャー州の修道院で見た、汚れ無き礼拝堂、その純白に塗られた壁をモチーフにし、マザー・オヴ・パーリーでハート文様をレイアウト」された、無垢なデザイン。ボディを包み込むようなインレイ、オフ・ホワイトのバインディング、クリームのオープンHBと、だまし絵的にギター全体をホワイトに見せる工夫を施しました。スポットライトをあびたとたん輝きを放つ白蝶貝のリップ材(ゴールド・パーリー)は、マット仕上げのボディから浮かび上がって、処女のごとくギタリストに寄り添います。実戦向きなDuoらしく、オーソドックスな2HB仕様に仕上げていますが、実は「トニー・ゼマイティスが好んで搭載したヴィンテージ・ディマジオのスーパーディストーション」をデュアル・サウンドに改造し、ミニスイッチが追加しています。多彩なサウンドのクリエイトが可能で、作者がすきなB.C.Richにも通じる回顧があります。白蝶貝のヘッドプレートや、岩崎篤が特別に作ってくれた「DMC“Hat Top Trick”のホワイト・ノヴ」、十字架のポジション・マークなどディテールへの配慮がなされ、松崎淳が腕前をふるってくれています。

ニューハンプシャーは、アメリカ独立戦争のときに、イギリスに反旗を翻した13植民地のひとつで、アイルランドからの移民も多かったそうです。この地を訪れると、映画のワンシーンのように、そこはかとなく英国を感じる気がする人も少なくないでしょう。


筆者(三ツ井)がデザインし、ダニー(オヴライエン)に作製してもらったヘッドプレート。最終的にオーナーの手に渡るときに、「GTZ」の丸ロゴに変更されました。


美しいホンジュラス・マホガニーのボディが透けて見える「オフホワイト」には、騙し絵的に見え隠れする様「ゴールドパーリー」をセレクトしてインレイしています。この素材は、直径が20cmにもなる大きな白蝶貝からしか取れないリップ材で、貴重なゴールドが浮き出しています。ベトナムのシェル工場を何軒も回って交渉し、カットしてもらいました。

12Fのクロスインレイ。白蝶貝と黒蝶貝が織りなすハーモニーは、まさに映画「ホテル・ニューハンプシャー」のナスターシャ・キンスキー。彼女への憧れを込めてデザインしています。

幻想的なトリオ。手前から「ニューハンプシャー」「ビッチ」そして「イエローモンキー」


ドレスアップ・パーツ界の雄「Crazy Parts」が、最高峰の無垢材を削り出し作成してくれた白蝶貝のステアステップ・ボタン(Special Thanks to Andy Nowak)


新品のギターに中古のピックアップ・・・・と侮るなかれ。70年代のロックサウンドを席捲した「ヴィンテージ・ディマジオ」のクリーム・スーパーディストーション。

White vs Red ポストモダン vs ヴィンテージの構図