ハートのシンボル

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ハートというシンボルは、トランプのスート(絵柄)の一つですが、起源は「愛や心臓、あるいは女性の臀部・胸部」を表したものだと言われています。すこし前に流行った「I💛NY」というフレーズでメッセージ的に使われたりして、なにかと洋風デザインのように思えますが、実は江戸時代に伊藤若冲の日本画にも登場する、私達にとってもなじみ深いシンボルです。 

OLYMPUS DIGITAL CAMERAトランプのスート 西洋のハート

jaku伊藤若冲の💛

ソウルは、「魂」であったり「霊」「心」という、内面の情熱や気合、ロジックではどうにもならないフィーリングを表す言葉です。ハートと良く似ていますね。私がここで表現したい「ソウル」のもう一つの意味は、「ソウルミュージック」や「ファンク」のアメリカンな泥臭い「R&B」的匂いです。貴賓ある中にも、ソウルフルでパンキッシュなデザインで、何十万人ものオーディエンスをノックアウトしたい。 ギタリストの心を射止め、熱いハートを表現し、オーディエンスに愛される、そういったギターであって欲しいですね。

ネック・フレットは、24Fを基本としました。これは、「Zemaitis Hearts&Soul」がそうであったように、私自身が、機能面での2オクターブだけでなく、デザインとしての24Fを大変心地よく思うからです。デザイナーの山中俊治さんが、以前楽器の内部構造をアレンジしたポスターについて記述されたコラムの中で、「音色と物理法則の美しい関係が多くの物理学者や数学者を魅了してきた」と述べておられます。その法則が、楽器のデザインの根源的な基調となっていているから、ギターのフレットが高音域に向かうにつれて心地よいピッチを保っていたり、パイプオルガンやグランドピアノが美しいアーチを描いているのです。1オクターヴ上がると波長が半分になる。そしてまた半分になる。24Fとは、半分半分の美しいスケールのヴィジュアル的変化が、音階と共に数学的等比級数のデザインを描き出してる。GTZの24Fには、ボディの全長とヘッドストックまでのネックスケールを、人の目と耳に心地よく受け入れられるバランスとしての思いが込められています。

pianoヴァイオリンの内部の曲線

parts_viewer021オクターヴの曲線美は、音色と物理法則の美しい関係 Photo YAMAHA

「時に攻撃的で、あるときは寛容で、魂の赴くままに」自由奔放なデザインで、弾き手と聴き手を魅了できれば、それ以上の喜びはありません。