Guitar Design 1 haute couture
1.「haute couture」への憧れ
オリジナルデザインを創ること
ファッションに興味のある人も無い人も、「haute couture」と聴くと、語感にえもいわれぬゴージャスで高貴な印象を受けるでしょう? 私も、それとなくパリコレに登場する一点ものの高級ドレスを連想したり、オードリー・ヘップバーン的な「オーダーメイド・ワンオフ・エスプリ」な衣装が頭に浮かびます。
本来の「haute couture」という単語の意味は、「高級な+縫製」かつ「サンディカとよばれるパリの高級衣装店組合に属するメゾンによって作り出される」という厳密なものだそうです。ですので、自動車や家具には使わない単語なんですね。でも、「オートクチュールのギター」って、なんとなくノーブルな香りがして素敵じゃないですか。
(ギター界のオートクチュール Tony Zemaitisの作品群)
90年代、ハンドメイドギターに何か新しい息吹を求めていた頃、私は野口さん(リットーミュージック)と「一点モノのハンドメイドギター」を指す単語について議論し、「オートクチュール」という仏語を当てはめてみました。ギターグラフィックスのZemaitis特集を企画している頃です。
神保町の喫茶店で会話していたときが初めてだと思います。「Zemaitisはギターのオートクチュールだ」と、意見が一致して盛り上がった私達でした。まあ、ZemaitisはEngland製ですから、普通に英語で言うなれば「Zemaitis is expensive handmade guitar!」という、ニュアンスも何も吹っ飛んでありきたりになってしまいます。ですので、それ以来、ZemaitisにもGTZ(Guitar designed by Taddy)にも「カスタムギターのオートクチュール」という表現が気にいっているのです。
(Special thanks to Ritto Music)