Metal Topに花束を PartⅠ (2025/1更新)

プレーンのメタルが貼られた、トニーらしいロックなエレクトリック・ベース。軽量コンパクトで取り回しがよく、ロニー・レーン・タイプのフィンガーレストが最高にイカシタ名器です。 広く飾り気のないピックガードに、ミュシャへの憧れを抱きつつ、サラ・ベルナールの彫金を施すプロジェクトを、画像を中心にご覧ください。 「MusiMagicのよっちゃん(アルミピックガード削り出し」と「ANOTHER DIMENSIONさん@Hiroshima(デザインと彫金」のコラボで、あたらしいルックスを実現できました。

本機は、プレシジョン・ベース同様に、ピックアップが一基のみ搭載されていますので、フィンガーボード下に大きなスペースがあります。ステージ上ではすこぶるかっこよくスポットライトが反射する部分ですが、近くでみると、少々殺風景(Sorry, Tony!)に感じます。まずはラフに手描きで「サラ・ベルナール」の横顔をピックガードにレイアウトしてみました。

手順は次の通りです。
① ラフなイメージ・スケッチの作成
② 実物大のピックガードに沿ったボール紙テンプレート作成
③ ANOTHER DIMENSIONさんとのデザインすり合わせ
④ 1mmのアルミプレート手配
⑤ オリジナルのピックガード同寸で「よっちゃん」がカット
  (トニーの手作業ニュアンスを残すため、ハンドメイド)
⑥ 最終デザイン決定
⑦ 完成したプレートの搭載(これが思いのほか難儀)

イメージしたのは、ミュシャをテーマにしたTony Zemaitisの名作「Silber Lady」。
(写真下)オーナー様のご厚意により、この美しいギターを改めて観れるのは幸運です。

レス・ポール・シェイプのカスタムデラックスに搭載された「花を持つ少女」のエングレイヴは、甲冑のようなバックプレートに
可憐に彫金されています。ギターにミュシャのモチーフ、似合いますね。

「Discus」(Patrick James Eggle)のラウンド・ディスクもデザインが秀逸でした。 
engraved by Danny O'brien

GTZ Solo Bass 「White Mermaid」 Owned by H.Kakuno (TUBE) は、GTZならではの繊細なエングレイヴ。

「PartⅡ」では、本機をクローズアップし、ゼマイティスならではの構造をご紹介しながら、完成したプレートを搭載した雄姿をご覧いただきます。

ピックガード・レスのエロティックな肢体

(文責:三ツ井忠)